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振り込め詐欺とは?被害に遭ってしまった場合の対処法

振り込め詐欺は、現代社会において深刻な脅威となっており、特に高齢者やその家族を狙った卑劣な犯罪として広く知られています。

電話やハガキなどの通信手段を用いて相手を巧みにだまし、指定した預貯金口座に現金を振り込ませるなどの手口は、年々巧妙化しています。

今回は、振り込め詐欺の定義や類型、そして被害回復のための法律上の手続きについて、司法書士の視点から解説します。

振り込め詐欺の定義と類型

振り込め詐欺とは、対面することなく通信手段を用いて相手を欺き、金銭を詐取する犯罪の総称です。

この名称は、2004年に警察庁によって、それまで個別に呼ばれていたいくつかの詐欺手口をまとめて呼称するために定められました。

代表的な詐欺の手口

振り込め詐欺には、いくつかの代表的な類型が存在します。

1つ目は、オレオレ詐欺です。

親族などを名乗り、「電話番号が変わった」「トラブルに巻き込まれた」などと言って現金を要求する手口です。

2つ目は、架空請求詐欺です。

身に覚えのない有料サイトの利用料金や、未払いの債務があるかのように装い、ハガキやメールで金銭を請求する手法を指します。

3つ目は、還付金詐欺です。

役所の職員や税務署員を名乗り、「還付金を受け取るための手続きが必要」と称してATMを操作させ、逆に犯人の口座に送金させる巧妙な手口です。

4つ目は、融資保証金詐欺です。

実際には融資を行わないにもかかわらず、融資を受けるための保証金などの名目で現金を振り込ませる犯罪です。

これらの犯罪は、組織的に行われることが一般的であり、犯人は身元を隠すために他人名義や架空名義の口座を悪用する特徴があります。

進化する詐欺の形態

最近では、銀行振込だけでなく、金銭を直接持参させたり、宅配便やレターパックで送付させたりする手法も増えています。

これらは、銀行の窓口やATMでの監視を逃れるための工夫であり、犯人側の悪質性がより高まっていると言えます。

法的には、相手をだまして振込を実行させた段階で詐欺罪が成立するとされるのが実務上の一般的な運用です。

被害に遭った場合の初動対応

もし金銭を振り込んでしまった後で詐欺だと気づいた場合、1秒でも早い初動対応が被害回復の成否を分けることになります。

金融機関への即時連絡と口座凍結

被害に気づいたら、直ちに振込先の金融機関へ連絡を入れなければなりません。

「振り込め詐欺の被害に遭ったので、支払いを停止してほしい」と伝え、犯人の口座を凍結(取引停止)するよう依頼します。

金融機関は、犯罪に利用された疑いがあると認める場合、速やかに口座を凍結する義務を負っています。

犯人が詐取金を引き出す前に口座を止めることができれば、後に現金を回収できる可能性が高まります。

警察への被害届の提出

金融機関への連絡と並行して、最寄りの警察署へ被害届を提出します。

いつ、誰から、どのような内容の電話があり、どこの口座にいくら振り込んだのかを時系列で説明する作業が必要です。

振り込みの控えである受領書や、相手からのハガキ、着信履歴などは、犯罪を立証するための有力な証拠となるため、大切に保管しておかなければなりません。

振り込め詐欺救済法に基づく手続きの流れ

振り込め詐欺の被害者を救済するために、2008年から「振り込め詐欺救済法」という法律が施行されています。

この法律は、凍結された口座に残っている資金を被害者に分配するための仕組みを定めたものです。

預貯金債権の消滅手続き

金融機関によって口座が凍結された後、預金保険機構のウェブサイトで、その口座に関する公告が行われます。

これは、口座の名義人に対して「この口座の権利がなくなります」と通知する手続きです。

一定期間、名義人から異議の申し立てがなければ、その口座の預金債権は法的に消滅し、分配の原資として確定する流れとなります。

この公告の状況を確認する作業は、被害回復を目指す上での重要な手順となります。

被害回復分配金の支払申請

預貯金債権が消滅した後、今度は「被害者の方は申請してください」という支払開始の公告が行われます。

被害者は、振込先の金融機関に対して、所定の申請書に被害事実を疎明する資料を添えて提出します。

司法書士は、これらの申請書類の作成を支援したり、手続きに関する助言を提供したりすることで、被害者の方が適正な権利を主張できるようサポートします。

分配金は、口座に残っている金額の範囲内で、申請した被害者の被害額に応じて按分して支払われます。

司法書士に相談するメリット

振り込め詐欺の被害を司法書士に依頼するメリットは以下のとおりです。

書類作成と手続きの代理

救済法に基づく申請手続きは、日常生活では馴染みのない書類が多く、個人で完結させるには困難を伴う場合があります。

司法書士は、法律の専門家として、正確な申請書を作成し、金融機関とのやり取りを円滑に進める体制を整えます。

また、加害者を特定できている場合は、140万円以下の小規模な被害であれば、認定司法書士が代理人として交渉や簡易裁判所での手続きを担うことも可能です。

消費者被害全般への多角的な助言

振り込め詐欺に関連して、不当な契約を結ばされたり、個人情報を悪用されたりする二次被害も懸念されます。

司法書士は、消費者保護の観点から、クーリング・オフの適用や名簿業者への対応などについても包括的なアドバイスを行います。

まとめ

今回は、振り込め詐欺の種類や、被害に遭った際の救済法に基づく手続きについて解説しました。

被害を回復するためには、金融機関への迅速な通知と、警察への届け出、そして救済法に基づく適切な申請を行うことが不可欠です。

申請を検討している場合には、司法書士にご相談ください。

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佐野 愛次(さの あいじ)

千代田区・神田にて司法書士業務を営んでいます。不動産登記はもちろん、法律相談、債務整理、遺産相続、会社設立、債権回収や裁判業務も積極的に受任しております。東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県に加え、出身である静岡と山梨、長野の一部地域のご相談も可能です。(ただし、山梨に接しているところなら対応は可能です。)

高齢者や悪徳商法などでお困りの皆様のお力になりたいと思っています。ADR(裁判外解決手段)調停人、いのちを守る相談会の相談員、東京司法書士会ホットライン相談員、悪徳商法バスターズなどのボランティア活動に積極的に参加し、身近なお悩みの法務(ホーム)ドクターとしてお役に立ちたいと考えています。

金融機関に勤めていた経験を活かし、実務に強い司法書士です。企業から個人まで法的・精神的にサポートをいたします。ぜひお気軽にお話をお聞かせください。

  • 所属・資格・活動等
    • 司法書士(東京司法書士会所属) 認定番号 第701394号
    • 行政書士資格取得
    • ADR(裁判外解決手段)調停人
    • いのちを守る相談会の相談員
    • 東京司法書士会ホットライン相談員
    • 悪徳商法バスターズ会員
    • 消費生活相談員として関東近郊で活動中
  • 経歴

    静岡県静岡市清水区生まれ、富士宮市育ち。大学卒業後、都内大手信用金庫入庫。中小企業のサポートや不動産取引、大手電化メーカーを担当しながら、平成5年に行政書士、平成9年司法書士試験に合格し、平成14年に司法書士事務所を開設しました。

    登記業務、相続や離婚の相談、債務整理、破産手続き、一般民事事件、裁判業務と幅広く業務をおこなう傍ら、大学の講師、受験専門校の講師も歴任し、民法等関連法規の知識を習得すると共に、法的思考とバランス感覚を身に付け、常に物事の本質を見極めるよう努力してまいりました。

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